皆さん、こんにちは。
PCやスマホを日常的に利用するようになり、肩こりや腰痛といった身体のコリや不調に悩まされている方も増えているのではないのでしょうか?
不調が酷くなってしまった場合、医療機関や診療所などへの通院を考えるかと思いますが、軽い症状の場合は、マッサージや整体を受けてみる事も選択肢の一つになるでしょう。
しかし、マッサージ店や整体院は、それぞれの機関で何が出来るのか、どう違うのか、その違いが分かりづらいのではないでしょうか?
今回は、「マッサージ」と「整体」の違いを中心に、そのほかの施術に触れつつ、ご説明したいと思います。
目次
『マッサージ』と『整体』の違い
『整体』という言葉を日常的に使う事は少ないかもしれませんが、『マッサージ』という言葉は、皆さんも良く使いますよね。
どちらも、手や器具などを用いて、身体に直接刺激を与える事で、体のコリや不調を治す行為です。
まずは、『マッサージ』と『整体』の仕組みを解説していきながら、その違いを比べてみたいと思います。
違いその1 アプローチの考え
「マッサージ」と「整体」では、症状に対する根本的なアプローチが異なっています。
「マッサージ」は、主に筋肉やリンパに対して、アプローチする事を大切にしています。
手のひらを使って、患部を押したり、揉んだり、さすったり、叩いたりする事で、
縮んで凝り固まってしまった筋肉やそれによって圧迫されてしまった血行や神経に刺激を与え、からだの血行を良くし、コリや疲労を改善していく、という施術を行います。
「日々のデスクワークや家事で、肩や腰に疲れが溜まってしまった」
「久しぶりの休日で体を動かしたら、筋肉痛になってしまった」
といった場合などは、筋肉・リンパに効果が高いとされる『マッサージ』が有効かもしれません。
一方、「整体」では、骨盤や脊柱を始めとした骨格に対して、アプローチする事を大切にしています。
身体の基盤となって、身体全体を支えている骨盤と背骨、そしてその周りについている骨格筋を刺激する事で、
骨格を元の状態に修正していき、筋肉やリンパのコリや疲労をほぐしていく、という施術を行います。
「朝起きたら寝違えたようで、首を回すと痛い」
「家族から、スマホを使っている時の姿勢が酷い、と言われた」
といった場合などには、骨格に効果が高いとされる『整体』が有効かもしれません。
『マッサージ』では、筋肉にアプローチし、『整体』では、骨格にアプローチする、といった違いがみられます。
違いその2 国家資格の有無
『マッサージ』と『整体』では、アプローチ法のほかにも、決定的に異なっているものがあります。
それは、『国家資格』として認められているかどうか、という点です。
先ほど紹介した『マッサージ』は、本来『あんまマッサージ指圧師』という国家資格を有した者のみが行う事が出来る、医業類似行為の事を指しています。
昭和22年に成立した『あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律』で
この資格を有するためには、最低でも3年、専門学校で学び、必要な知識と技能を修得する必要があり、試験に合格する事で、ようやく取得する事が出来ます。
つまり、『あんまマッサージ指圧』という意味での『マッサージ』は、国に認められた治療の1つ、と言えます。
そのため、『あんまマッサージ指圧』は、医師の行う『治療行為』に準ずる行為とみなされており、必要に応じて、医師の診断や告知に基づいて、患者に対しての施術を行う事が出来ます。
病院の治療の一環として『マッサージ』を行うために、『あんまマッサージ指圧師』が、病院のリハビリテーション室で勤務する場合もあるようです。
それに対して、『整体』には、『国家資格』がありません。
また、整体業界や医療福祉業界全体で通用する資格も、基本的にはありません。
あくまでも、民間医療・代替医療の一種、という扱いで、その実態や施術内容は各整体院に任されているのが実情です。
とはいうものの、身体に直に触れ施術を行う、という非常に重要な仕事です。
多くの施術者は、専門の民間団体で学び、それぞれの団体にて資格を取得する、などによって、効果の高い施術を目指しています。
整体の専門機関として有名なものでは、『一般社団法人国際ホリスティックセラピー協会』、『日本カイロプラクティック登録機構』などがあります。
『カイロプラクティック』って?
『カイロプラクティック』とは、19世紀の末期、アメリカで発祥の施術方法です。
『カイロプラクティック』では、患者自身の持つ『自然治癒力』を大切にしています。
その『自然治癒力』が発揮できるように、コリや不調の原因を取り除く事に重きを置いています。
厳密に言えば、『整体』と『カイロプラクティック』は違うものですが、『医学に基づいた』施術である点、WHOのガイドラインに認められているという点で、その効果は担保されているといっても良いでしょう。
違いその3 保険適用
『マッサージ』と『整体』は、『保険適用』という面でも、違いがあります。
先ほど紹介したように、『あんまマッサージ指圧師』は国家資格の1つです。
そのため、『マッサージ』の一部の施術では、保険が適用されます。
ただ、保険が適用されるのは、
①医師による定期的な診察・同意を受けている。
②適切な治療目的がある 例:筋麻痺 関節拘縮 脳血管障害など
の2つが満たされている場合に限られています。
肩こりや腰痛、などといった慢性的な症状は、対象となっておらず、自費診療となります。
一般的な休養や疲労回復を目的とする『マッサージ』の施術をお求めの場合は、自費診療となる場合がほとんどでしょう。
それに対し、『整体』の場合は、民間医療の扱いとなるため、保険が適用される事はありません。
「マッサージ」の本当の意味って?
ちなみに、『マッサージ』とよく混同されるものとして、『リラクゼーション・マッサージ』があります。
『足つぼマッサージ』や『オイルマッサージ』、『古式マッサージ』など、
皆さんのイメージしている『マッサージ』はこの『リラクゼーション・マッサージ』に当てはまるかもしれません。
これらの『リラクゼーション・マッサージ』は、『癒し』や『美容』を目的とした施術です。
法的な『国家資格』を必要としない、医療類似行為の一種です。
病気や症状の治療を目的としていないため、コリや不調をしっかりと治したい!という方に対しての効果はいまひとつ、と言えます。
これらの『リラクゼーション・マッサージ』も、各個人が独自の研究や訓練を積んでいる場合や、民間資格を取得している場合など、実に多種多様なサービスが提供されています。
各サービスの施術内容や資格などを十分に確認した上で、利用する事が望ましいでしょう。
『整体』と『整骨』って同じ?
『整体』とよく似た言葉に、『整骨』や『接骨』、『ほねつぎ』といった言葉があります。
この『整骨』や『接骨』は、ともに同じ国家資格が必要な名称です。
『整骨』『接骨』は、『柔道整復師』と呼ばれる資格を持つ人が行う事が出来る施術です。
元々は、『柔道』で発生した骨折・脱臼・捻挫を正常な状態に『整復』する事が認めるための資格でした。
現在では、医師の行う『治療行為』に準ずる行為の1つで、医師の同意の下、
急性の外傷を治す事が出来ます。
症状によっては、整形外科と近い施術を行う場合もあります。
『整体院』は何をしてくれる所?
整体は、『骨盤・脊柱』を中心とした、骨格調整を専門としています。
そこで、整体は『骨盤の骨盤矯正』『体形の歪み矯正』の施術を得意としている場合がほとんどです。
①骨盤調整
骨盤調整とは、日々の姿勢や出産が原因で、本来あるべき場所にある位置から、ずれてしまった骨盤を、元の位置・状態に戻していく事です。
骨盤の歪みは、小さいものでは数ミリ程度の場合もあり、整体師のようなプロでなければ分からない場合も多々あります。
また、骨盤の歪みの多くは、まわりの筋肉が原因となっていることも多く、『骨格』へのアプローチと、『骨格筋』へのアプローチのどちらもが必要となります。
『骨盤ストレッチ』と呼ばれる民間療法は、主に『筋力の増大』を促すものですが、『骨格』にまでは、効果が薄いと思われます。
そのため、『骨格』と『筋肉』の両方へ施術が可能な整体師の施術を受けるのが理想と言えます。
②『体形の歪み矯正』
私たちの身体は、日々の生活習慣やクセによって、元々の正しい体形・姿勢から少しずつ歪みやズレが生じてしまいます。
その歪みが酷くなってしまうと、コリや痛みとして体の不調が表れてしまいます。
その場合にも、『骨格』を正常な位置に戻す施術と、骨格の位置を支える『骨格筋』を動かす施術のどちらも行う事が出来る整体師に相談するのが、最適ではないでしょうか。
まとめ
ここまで、『マッサージ』と『整体』の違いをテーマに、『マッサージ』『整体』の施術の特徴をまとめました。
身体の不調を改善する、という大切な行為であるものの、一部の施術を除いては、確立された資格や免許は今のところありません。
この記事をご覧になった方に、『マッサージ』や『整体』、その他の施術の中から、自分に合った施術を見つけ出すヒントになって頂ければ幸いです。