最近、街を歩くと頻繁にもみほぐし店や整骨院、鍼灸院、整体院、数多く見かけるようになりました。

平成10年から平成26年という結構長いスパンでありますが、就業している柔道整復師の数と施術所数がほぼ2倍になっています。
(参考:就業柔道整復師数・施術所数 年度別推移)

これだけ多くなっていますので、街中でも多く見かけるようになって当然ですが、「整体院と整骨院、一体どっちに通えばいいの?」という悩みや疑問も出てくると思います。

今回は名前は似ているけど整体院と整骨院はどう違うかに焦点を当てて、違いとそれぞれの特徴を比較しながら紹介していきます。

ご自身の症状などと照らし合わせて参考にしていただければ幸いです。

整体と整骨ってどう違うの?施術や特徴について

首の骨がボキボキっとなった

整骨は「せいこつ」とも読みますが、古くは「ほねつぎ」とよび江戸時代から伝わる
専門の知識と手技を使って治療する伝統医療のことです。

現代では、骨へのアプローチを主に行い、医療機器を使った治療も行うことがあります。

また、開業するためには国家資格を必要し、技術や知識の一定の水準は有していると考えられます。

整骨院の治療の仕方

整体との大きな違いで整骨(ほねつぎ)は、柔道整復師という国家資格が必要となり、一定の手技や技術を修めたものがが施術をおこないます。

整骨院の多くは、痛みある部分に対して低周波治療器牽引機などの機器を使って治療するというのが一般的です。

また、整骨院では脱臼の治療も可能なことが特徴です。

「整骨院」や「接骨院」と呼び方は違いますが、呼び方が異なるだけで内容は同じです。

整骨院・接骨院では、骨折や脱臼・捻挫や打撲・筋肉や腱などの患部を薬や注射などを使わず柔道整復術により治療します。

整骨院の資格について

身体によい事悪い事

整骨院・接骨院として開業するためには国家資格が必要です。

高等学校を卒業後、柔道整復師養成課程のある専門学校や大学などで、所定の単位を取得し受験資格を取得します。

その後、国家試験に合格することで柔道整復師の資格を取得できます。

柔道整復師の基本的な手法としては、

  • 骨折・脱臼などを元に戻すための整復法
  • 骨折・脱臼の応急処置のための固定法
  • 損傷した組織の回復を促すための後療法

の三つがあります。

こういった技術や知識の体得に国の基準があるため、ある程度安心して受けられることも1つのメリットかもしれません。

整骨院の施術の効果

古武術

少し余談から入りますが、整骨は江戸時代より続く「活法」の技術です。

相手を殺めることに特化した『殺法』の対極に位置するもので人を活かすための技術です。

しかし、共通するところはどちらも同じ武術より出でたものです。

体の仕組みを熟知しどこをどうしたら効率よく活かし殺められるかを徹底的に突き詰めた結果の技術体系です。

そして、大正時代以降には西洋医学の知識をも取り入れて、現在の柔道整復術という形にななりました。

そのため骨折や脱臼の治療を伝統の知識と現代の理論と手技で行えば、驚くほど早く回復することもあるようです。

しかし、最近では医療機器に頼ることも多く伝統的な技術が活かされていない場合もあります。

さて、本題の効果ですが、骨接ぎに関して骨をもとの位置に戻し、自然治癒力を活性化させるので、通常の医療処置よりも早くなる場合もあります。

また、腰痛などの痛みに関しても原因が骨にある場合は適度な刺激を与え、元の状態に戻してあげることで改善が見込めます。

整骨院はその名にのあるように『骨』へのアプローチがメインになります。

ご自身の症状が骨由来であるか、または別のところに原因があるかを明らかにしたうえでの通院が効果的だと思います。

整骨院の得意な分野

整骨の治療機器

リラクゼーション効果などを期待するよりは、痛みなどの軽減・解消や骨折・脱臼の治療に重きを置いていることが多いです。

整体とは違い、骨折や脱臼などの国家資格を有していることで『治療行為』が行えることです。

しかしながら、脱臼・骨折は、応急処置の場合を除き、継続して施術を行う場合は、医師の同意が必要です。

原則は整形外科などの病院で診断を受けて治療が必要であると医師が判断して整骨院などに通院することに同意した場合のみとなります。

その回復することを目的として施術を行うとされていますが、医療補助的な位置づけになります。

整骨院の保険適応について

整骨の場合は、保険適応になる部分があります。

骨折・脱臼、捻挫、肉離れなどの治療に限り保険適応となり、
医療費の控除額にも含まれるようになります。

しかし、けがの予防や腰痛などの痛みの緩和、過去のけがのぶり返し、交通事故の後遺症などには健康保険が適応されませんのでご注意ください。

ご自身の症状や通院理由が保険適応になるかどうかは専門の機関や、担当の整体師にご相談ください。

腰が痛いときは整体院と整骨院どっちに通えばいいの?

背中や腰の痛み

二足歩行になった人間の腰部は体の中心となり、あらゆる動きや力を支える基盤となりました。

その結果、腰部は多大な負荷を受けるようになりました。

10人に1人は腰痛に悩まされるくらい人間には切っても切れない腰痛です。

ぜひとも腰の痛みから解放されてほしいところですが、まず腰痛について少し説明いたします。

腰痛について

整骨院、整体院、カイロプラクティック、鍼灸院に通うにしても、ご自身の腰痛が何が原因で起きているかを正確に知る必要があります。

原因の正確な診断が大切です。

施術や治療は、痛みをとるのではなく、痛みを起こしている根本を直すのです。

痛には様々な原因で病名にも種類があります。

腰椎分離症腰椎椎間板ヘルニア筋膜性腰痛脊柱菅狭窄症・すべり症などこれらを総称して腰痛と呼ばれます。

腰痛の原因として考えられることは、

  • 急な動作をした際に筋肉が傷ついたり
  • 腰周辺の筋肉が疲労して凝り固まってしまっていたり
  • 長時間背骨に負担がかかったり
  • 加齢などにより骨が変形してしまったり
  • 内臓系の病気であったり

など挙げられますが、痛みが発生する詳しい原因はわかっていない場合が多いのです。

さらに、上記では骨や筋肉の異常由来で起こる腰痛を紹介しましたが、内臓の炎症や腫瘍が原因で起こる腰痛もありますので、腰が痛いからと言って整体院などに通院する前には整形外科内科で必ず腰痛の原因を特定してから通院するようにしましょう。

整骨院(接骨院)に通った方がいいケース

突発的な事故などで腰が痛む場合も「治療」が可能であり、保険適応内であることからお勧めです。

しかし、症状が慢性化してしまっている場合は、軽度の治療しか行えない接骨院に長期間通うのはお勧めできません

その場合は整体院に通院した方がよいでしょう。

整体院に通った方が良いケース

体を揺する工程

疲労や筋肉の炎症・歪みなどで起こる腰痛の場合や症状が慢性化している場合は整体院に通う方がいいと思います。

また、整体院でも体の仕組みについては日々研究していますので、骨の歪みも矯正する施術が可能ですので総合的に体を見てもらうことができます。

しかし、整体師は先にも述べたように国家資格はなく民間資格です。

そのため、整体院によって技術にばらつきが多く信頼できる整体院を見つける必要があります

インターネットでの評判や、口コミをよく確認し、お客様の声を見て、自分に合いそうだと思ったら体験施術などで体験してみると良いでしょう。

実際に院の中に入って雰囲気を確かめるとより良く分かりますよ。

技術力があり、ご自身に合った整体院に通院するようにしましょう。

整体と整骨の違いについてのまとめ

整体院か、整骨院か決めるのは医療機関である整形外科でレントゲンやMRI,CTなどを撮ってもらい、しっかり原因を明らかにしてからが良いと思います。

また、整骨院で保険適応をしたいと思っている方には重要な注意点ですが、医療機関に通院しながら整骨院にも通院している場合は整骨院の費用は保険適応外になります。

医師と相談し同意を受けたうえで整骨院単独の通院にしましょう。

ストレッチでメンテナンス

整体院、整骨院で様々な違いがあったと思いますが、体を元に戻して健康的な生活を送ってほしいという想いは変わらないです。

少し長くなってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございます。