肩こりや腰痛を軽くしたくて整体院に施術に行ったのに、次の日患部が余計痛くなった!頭が痛い!なんて経験はありませんか?

これは「揉み返し」という現象です。

背中や腰の痛み

施術を担当したスタッフの熟練度が高くないと起りやすいです。

特に資格なしに開店できるもみほぐしのマッサージ店などでは、スタッフへの研修が不十分なまま現場で経験を積ませるようなところもあります。

施術を受けた直後は何となく体が軽く感じますが、次第に痛みが出てきて鎮痛剤を飲まないとやっていられない。なんてケースもあるようです。

今回は揉み返しがなぜ起こるのかと、起ってしまったときの対処法を紹介します。

また、揉み返しと似た症状の好転反応についても、知っておいてほしいことがありますので、併せて紹介します。

揉み返しとは

施術の方法は様々ですが、体の歪みを直すために筋骨を正しい位置に動かして症状を改善させるのが整体の目的です。

なので、筋肉は大きな影響を受けます。

施術の際に無理やり動かしたり、強く刺激しすぎると、筋繊維が傷ついたり切れたりして炎症を起こしてしまいます。これが揉み返しの原因になります。

この現象は過度の運動やスポーツの後に起こる筋肉痛と同じもので、患部が炎症を起こし、熱を持ち痛みを発します。

整体やカイロプラクティック、按摩や鍼灸、マッサージなど筋肉にアプローチして、体の凝りをほぐしたりするものには起こりえる現象なのです。

筋肉をほぐして身体の血流が急激に良くなることで、脳の血管が拡張して周囲の三叉神経が刺激されて、頭痛になってしまうことがあります。

頭痛

また、痛みによるストレスで筋肉がさらに緊張し、頭痛を引き起こす場合もあります。

特に揉み返しが起こりやす場所としては、背中、肩、首です。

肩甲骨や骨盤など大きな骨や筋肉のあるところを動かした時にどちらも起こりやすいと言えます。

大きい筋肉のある場所で負荷のかかりやすく凝りやすい場所が揉み返しが起こりやすいとされています。

強くもみすぎれば筋繊維が傷つくことも想像できますが、弱くもんだ場合でもきちんと施術できていないと揉み返しが起こります。

施術患部を弱く不均一にもみほぐしたため、一部分ではしっかりほぐれたものの、周辺部で凝ったままだと、血流や老廃物が急激に良くなった場所と滞った場所ができてしまうため、だるさや重さを感じる揉み返しが起こります。

この場合は、凝ったままの部分がありますので、数日後にはコリによる痛みがぶり返してきます。

揉み返しによる痛みやしびれ、頭痛などの症状はだいたい1週間ぐらい続くとされています。

揉み返しが起こった時の対処法

筋肉痛と同じように炎症を起こしていますのでアイシングが有効です。

患部を氷水などを入れた袋で冷やしてあげることで、炎症を抑え痛みを和らげることができます。

氷などで冷たくするのが良いと言っても、氷水や保冷剤を直接肌に当てることは避けましょう。

低温障害やひどい場合には凍傷を起こしてしまう場合がありますので、患部を冷やす場合は、必ずタオルで氷水を入れた袋を包み冷えすぎないようにしてください。

冷やしすぎると皮膚の感覚がなくなったり、赤くなったり、痒身が出るの症状が出てきます。

また、揉み返しで痛いのは、血行不良で凝っていて痛いわけではありませんので、温めても良くはなりません。

むしろ、炎症が起こっているときは、傷ついた筋繊維を修復させるために血が集まってきており、この集まった血が痛みの原因になっています。

そのため、温めると血行が良くなり、さらに血液が集まり痛みが増してしまうことがあります。

揉み返しの痛みがどうしても我慢でいない場合は、鎮痛剤も使用も検討する必要がありますので整形外科の受診をおすすめします。

揉み返しと好転反応の違いとは

身体によい事悪い事

揉み返しとセットで出てくるのがこの「好転反応」です。

似ているように思われていますが、全然違います。

揉み返しは身体から発せられる危険信号の様なものですが、好転反応は身体が回復しているサインです。

揉み返しの場合は、筋繊維が傷ついて炎症していたり、血流や老廃物の流れが不均一になり痛みや倦怠感などの症状がでます。

好転反応の場合、凝りやゆがみが直り患部にかかっていた過剰な負荷がなくなり、逆に今まで油断でいて負荷がかかっていなかった場所に正常な負荷がかかることによってバランスを取ろうとして、疲労感やだるさを感じるようになります。

コリなどが起こると筋肉の使われ方が不均一になります。

そうなると使わなくなる筋肉も出てきますので、それが急に負荷がかかるようにと慣れておらず疲れてしまい症状が出てしまいます。

また、全身の血行が良くなることで火照りや眠気、ある時は頭痛を感じることもあります。

これは慢性的に疲労していた筋肉がほぐれ、溜まっていた老廃物が血液中に流れること等が要因として考えられます。

好転反応の場合、不快な症状は2~3日で収まることが多いです。

それ以上長引くようでしたら好転反応ではありませんので病院で診察を受けましょう。

好転反応が起こった時の対処の仕方

リラクゼーションのイメージ

好転反応では、体の中の代謝や血流が活発になり、エネルギーや水分を大量に使用します。

この状態できちんと体を整えることで施術の効果を十分に引き出すことできますので、水分をたくさん取り、体を冷やさないよう暖かい格好で休息を取ることが重要です。

体全体へ酸素や水養分を送り届けることで細胞の免疫力が上がり、回復力向上につながることが期待できます。

施術後は老廃物が一気に流れ出て細胞内の水分が少なくなっていますので、こまめな水分補給と排泄を我慢しないことが大事です。

また、カフェインなどの利尿作用を持つ飲み物も控えましょう。

自然に排泄される尿には問題ありませんが、無理やり利尿を促してしまうと体内の水分が少なくなってしまい回復が遅れてしまうことがありますので気を付けてください。

好転反応が出た時にしてはいけないことは、症状が不快だからといて鎮痛剤や解熱剤などの薬を飲んでしまうことです。

好転反応で出る症状は身体が回復に向かっているときに出るものなので、これを止めてしまうと体が回復しているのを止めてしまうことになります。

通常は2~3日で症状が治まるので様子をみましょう。

それでも収まらず、また悪化するようであれば病院に行って、これまでの経過を説明し適切な処置を受けましょう。

整体院で施術を受けたら揉み返しになった!その原因と対処法のまとめ

揉み返しの起きにくい施術

揉み返しで痛みを感じる場合は、筋繊維が傷つき炎症を起こしている時です。

頭痛に関しては好転反応でも起こるので判断しづらいですが、2~3日経っても症状が変わらないようでしたら揉み返しと判断します。

体全身が熱を持ったように感じるか、体の一部分が熱をもったように腫れて痛みがあるかで、違いを見分けることができます。

もみ返しが出た場合、継続的に通院している整体院だった場合には、経過を説明し治療の方針を話し合うのが良いと思います。

安心して通院できるよう、対処してくれたりする整体院とはしっかり信頼関係を築いてもとの症状の根治を目指していけると思います。